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COPD(肺気腫)

(1)COPD(肺気腫)とは

COPDは、日本語で「慢性閉塞性肺疾患」と訳されます。
肺気腫や慢性気管支炎など、肺胞や気道などに炎症が発生し、長期にわたって気道が閉塞状態になる病気の総称をいいます。
主な症状は、咳(せき)や痰(たん)、動作時の息切れなどで、徐々に呼吸機能が低下していきます。重症化すると呼吸困難を起こすなど、日常生活に支障を来し、肺炎や心不全などの合併症で命に関わる場合もあります。
長期間にわたる喫煙習慣が主な原因であることから、COPDは「肺の生活習慣病」とも呼ばれ、近年、社会的にも大きな注目を集めています。

(2)COPDの薬物療法は

COPDの治療に用いられる代表的な薬は、狭くなった気管支を広げて呼吸を楽にする「気管支拡張薬」です。
霧状または粉末状の薬と息を一緒に吸い込み、気管支や肺に直接薬を届けられる吸入薬が主に用いられます。

気管支拡張薬には、長時間作用性抗コリン剤(LAMA)、長時間作用性β2刺激薬(LABA)などいくつかの種類がありますが、近年、新薬が続々と登場し数年前と治療は大きく様変わりしています。LAMAではグリコピロニウム臭化物が、LABAではインダカテロールマレイン酸塩、ホルモテロールフマル酸塩水和物が新たに登場し、従来の薬に比べて、少ない投与で即効性や持続性に優れるなど、増悪の抑制や生活の質の改善に期待が持てます。
また、効果の異なるLAMAとLABAを一つにまとめた合剤も登場し、その有効性が確認されています。
COPDは軽症例から重症例までは薬物治療が可能ですが、超重症例になると薬による治療は困難です。
そのため、少しでも早い段階で病気に気付き、適切な治療を開始することが何よりも大切です。